逃れの森の魔女


「おもしろかった★★★☆☆」でした。


背中の曲がった「醜い女」には、美しい娘がいた。自分には無い美を愛する醜い女は、娘のため、産婆というもうからない仕事を超え、神の遣い、悪魔を祓う女魔術師となったのだが...

ヘンゼルとグレーテル」のパロディということだが、主人公はお菓子の家の魔女。よく知られらた童話のあの魔女は、どうして魔女になったのか、からその最後までを魔女の視点から書いた作品。

かわいそうな女性...というのが感想だが、ただ一度の過ちでここまで悲惨になってしまうところが、リスクの高い職業についた人の悲惨さをリアルにしている。最後に救いがあることが救いなので、読後感はそれほど悪くない。ただ、「死」以外に彼女が助かる方法は無かったのだろうか...と考えてしまうのは、神や悪魔と違って弱い人間だからだろうか?

この本だけでなく、悪魔も神も残酷だと思うのは私だけでしょうか?そして、残酷であり、厳しいからこそ、この本は面白いのだと思います。

次は、「ウィッシュリスト」を読むか、「竜の騎士」を読もうと思います。

はてな年間100冊読書クラブ」41/100