童話物語(上)

読み終わりました、というか、巻末にある「大百科辞典」はまだ途中だけど。


「おもしろかった★★★★★」でした。


みなし子でいじめられっこの少女、ペチカは、<妖精>フィツと出会う。最初に出会った人間を九日間観察しなければならないフィツと、生きることに必死のペチカ。捨てられていたパンを持ち帰って食べたことで泥棒扱いされた上に、出会うと病気になると信じられている妖精と話しているのを見られたことで、ペチカは村から逃げ出す羽目になる...

本当は、面白いといいたくないぐらいに、ペチカと周囲の状態は悲惨。一人ぼっちで貧しくて貧しくて、仲間もいなくて、お腹をすかせて、とげとげしいペチカ。そんな少女に辛く当たる周囲の人たち。寒くて、ひもじくて、生きることに精一杯の少女が痛々しくて、読むのをやめようかと思いながら上巻読んでしまいました。前に、「泥棒のかみさま」を読んだ時にも思ったのですが、孤児に対して世間の扱いはこんな風なのが普通なのかと考えると辛くなります。まぁ、この本のように行政の助けも無く、周囲の助けもまったく無いというのは、極端かもしれませんが、庇護の無いものへの無常な仕打ちに嫌な気持ちになりつつも、自分がそういう子供を見つけたときには、警察に連絡するしかできないだろうなぁと思うだけに、惨めになりました。


次は、こんどこそ、「アーサー王物語Ⅰ」を読むか、「童話物語(下)」を読もうと思います。

はてな年間100冊読書クラブ」34/100