ウィッシュリスト


「おもしろかった★★★★☆」でした。


メグは14歳の女の子。ゴロツキのベルチとともに耳の悪い老人の家へ盗みに入ったつもりが、あっさり発見され、その老人をかばったために、悪運が重なって死んでしまう。死ぬ直前に老人をかばったことで、生前の行いの善と悪の釣り合いが取れてしまったために、メグは地獄行きを免れる。だが、天国に行くためには、自分が盗みに入った老人ラウリーのところへ行き、善行を施さねばならない。失敗すれば、地獄行き。しかも、与えられた時間は少なく、地獄からは、メグを失敗させようと送り込まれたものがいた...

「あの時、なんであんなことしちゃったんだろう...」と、ずいぶん前のことなのに、いまでもあの時の情景がありありと浮かび、そのときの気持ちがよみがえってくる...というような体験がある人なら、とても共感できる話です。私ももちろんその一人ですが。過去に戻ってやり直すことはできないけれど、あの時できなかった、もしくは、しなかったことをやりたい!その思いで、棺おけに片足を突っ込んだような上体のラウリーと、地獄行きが刻々と近づくメグは、なんとかラウリーの「ウィッシュリスト」をこなしていきます。「なーんだ、そんなこと」というようなことでも、当人にとってはとっても大事なことってありますよね。きっと、あなたにも、そんな「ウィッシュリスト」があるのではないでしょうか?メグとラウリーのコンビは、最初はどうなることかと思いますが、だんだんと息が合っていきます。しかし、二人に残された時間はだんだん減っていき、邪魔も...後は、自分で読んで確かめてください。おもわず、「自分はどっち(天国or地獄)行きかな?」と考えてしまうはずです。


次は、「ベアトリス・ベイリーの冒険(3) 大蛇ヒスフィットと海竜の入り江 」を読もうと思います。


はてな年間100冊読書クラブ」54/100